【2008年11月1日(土)】初秋奈良・京都特別拝観の旅Vol.19
地図を見ると秋篠寺南門から南へ真っ直ぐに道が走っているが、実際には途中から自転車では進むことが出来なかった。だが、道なりに進んで西大寺北門に着く。境内を抜けて南門から東塔跡と本堂を望む。
【南門】
最近JR東海の「うましうるわし奈良」キャンペーンで取り上げられた西大寺のCMのキャッチコピーは「まぼろし、と呼ばれた大寺がある。」である。東大寺は聖武天皇により建立されたのが、西大寺はその娘である孝謙天皇(後の称徳天皇)の発願より建立された官寺である。創建当時は広大な敷地に百十数宇の堂塔が甍を並べていたという。
【東塔址】
八角で七重という塔があったという基壇。CMでは基壇の左右に僧侶がならんでいる光景を演出していた。西塔址は愛染堂の裏にあるらしい。
【本堂】
堂内は薄暗いが周囲に灯明がびっしりと並んでいて幻想的で厳かな雰囲気である。中央には本尊の釈迦如来立像が祀られている。三国伝来の清涼寺式の釈迦である。ワンピースのように着込んだ衣の襞がドレープ模様を描いている。
【愛染堂】
愛染堂は本堂の西に東向きに建っている。今日は秘仏公開の期間にあたるので愛染明王を拝観できる。堂内中央に置かれた厨子の中に像高わずか30cm程度の小さな像が祀られている。両眼を見開き、口を開けた憤怒の表情、落ち着いた真紅で全身が彩色され、切金も見事に残されている。
【四王堂】
境内の東端に四王堂は建つ。幼稚園がその手前にありイベントが行われているようだった。堂には右手に錫杖、左手に華瓶を持つ長谷寺式の大きな十一面観音立像と四天王像がどっかりとした様相でいる。
【聚宝館】
さすがに元大寺であっただけに西大寺は見所が多い。寺宝を展示する聚宝館で鎌倉時代を中心とした名品を拝観する。
小さな北門内に置かせてもらった自転車へ引き返すと我々以外のもう1台が止められていた。秋篠寺で見かけた人のものだろう。熱心な人で週刊の各寺の図録を持っていたのが印象的だった。
ここから大和西大寺のレンタサイクルまではすぐだ。