【2008年10月31日(金)】初秋奈良・京都特別拝観の旅Vol.7
【東金堂と五重塔】
五重塔を見終えて、すぐ隣の東金堂に足を運ぶ。創建時には三棟あった金堂は、現在では東金堂だけをなっているが、中金堂の復興計画が進展している。更に遠い将来には西金堂は復興されるかも知れない。
正倉院展には16時頃入りたいが、既に15時を回っている。今年の6月に奈良を訪問した際にも拝観しているが、国宝や重文がひしめくので東金堂はスキップは出来ない。
【朱印】
通常では行われていない簡単な説明も堂内で行われていた。本尊の薬師如来と日光・月光両菩薩は重文だが、十二神将、四天王、文殊菩薩、維摩居士は国宝である。特に定慶が彫った維摩居士坐像は玉眼が生き生きとしていて写実的な像である。また、日光・月光両菩薩は現在国宝館にある仏頭と共に山田寺から持ってきた白鳳期の仏像という。
本堂に入った際に須弥壇の雰囲気が変わったと感じた。以前は須弥壇の手前から仏像が安置されていたような気がしたが・・・
【阿修羅】
この秋の早稲田エクステンションの日曜講座「仏教美術鑑賞」では、興福寺は創建時と復興時に分かれて取り上げられた。現存する天平期の仏像の多くはいま国宝館にある。光明皇后が不比等の夫人で母である橘夫人の一周忌に建立した西金堂に本尊の釈迦三尊像と共に十大弟子や八部衆を祀った。その天平の代表作とも言うべき脱活乾漆像の阿修羅像が来春東京にやってくる。この6月に来年また会おうと思っていたのが、今年また会えた。展示スペースの後ろの壁が明るくなったような気がする。それによって憂いを秘めていた顔がやや解けたような気がして見えた。
八部衆は8体現存するが、十大弟子は6体で、14体揃うのは来年3月31日~4月19日まで(東京国立博物館)だという。
【朱印】
最近読んだ本などでは、国宝館にある山田寺から略奪した仏頭ではないもう一つの仏頭が運慶の作であることがほぼ確定されたという。今まで何度か見たことがあるが、国宝館の解説には運慶とは書かれていなかった。
国宝館は元食堂である。その本尊は像高5mを越す千手観音立像である。