【2008年8月17日(日)】
北京オリンピックは接戦が続いている。が、今日の東京は曇で気温も低い。昨日に比べると雲泥の差である。昨夜に降ると言われていた雨は自宅付近では期待はずれとなり、ほとんど降らなかったが、今日は雨が期待できそうだ。
オリンピックのほうは、今朝は女子マラソンが、やはりどんよりと曇った北京市内で行われていた。そして競泳では男子400mメドレーリレーで日本は銅メダルを獲得した。
昨日は暑くて外出するのが嫌だったが、今日であればということで、東京国立博物館の「対決-巨匠たちの日本美術」を昼過ぎから見に行くことになった。
それほど興味をそそられる企画ではなかかったので、俵屋宗達の建仁寺所有の「風神雷神図」が11日~17日まで展示されるというのを知らなければ、また妻が本館の運慶の大日如来坐像をまだ見ていないと言わなければ、わざわざ足を運ばなかった。まぁ、1日中オリンピックをテレビで見ているよりは、外出してもよい天気なので、といった感じではあった。もちろん今日が最終日であることは知っていた。
上野までの電車はかなり空いていて冷房がきつ過ぎるくらいだった。が、上野駅の公園口に出ると、そこには人が溢れていた。上野では様ざまな美術館や博物館があるので、子供たちは夏休みの課題を片付けに来るのだろう。
面白かったのは、科学博物館で行っている「GOLD」の呼び込みで、「北島康介選手の金メダルも展示されています」というものだった。勿論北京での2つの金メダルではなく、アテネで獲ったものだろうが、看板ポスターにはその写真がないのに、呼び込みで言っているのは、急遽借りてくることが出来たからであろう。
国立博物館に来ると、チケットを求める人や会場に向う人が多いのにビックリした。最終日で人が来るのは予想していたが、ここまでとは思わなかった。中に入ると更にその混雑ぶりは実感できた。イヤホンガイドを求める人波が続き、館内は展示物の前に幾重もの人垣が出来ている。
こうやって熱心に鑑賞している姿には頭が下がる。自分たちは興味のある部分だけしか見ない。たまにそう興味のないところを覗くことはあっても、最前列に並んで順番を待つということはしない。今回は、運慶VS快慶と宗達VS光琳の「風神雷神」だけが中心だった。
特別展を見た後に、本館の1階で展示されている「六波羅蜜寺の仏像」とその奥に安置されている運慶の二体の大日如来を見に行く。
昨年12月に六波羅蜜寺に行った際に見た記憶に新しい何体かの仏像が展示されていた。また、その奥の部屋には某宗教関連団体が落札した運慶の大日如来坐像が展示されていた。若き運慶が製作した円成寺の大日如来と顔つきは少し似ている。また、その隣に光得寺の小さな大日如来坐像が展示されていた。こちらは表面的には運慶ですか?と首を傾げたくなるものだった。だが、鑑賞済み運慶仏の一覧に加わった。
本館2階をざっと見てから東洋館に向う。ここでは、3室のジャワのバティックと5室の青磁が目当てだ。博物館に展示されているので鑑賞価値が高いのは分かるが、それ以上に美しくまた機能的であることに感心する。こういったモノを見ると欲しくなる。家で集めているモノたちが、こういったテイストであることを再確認することになった、もちろん値段は天と地の開きがあるが。
東洋館を出ると雨が霧雨以上になっていた。正面門では、特別展の平成館は10分待ちとのアナウンスがあった。本当に熱心な鑑賞者が多いと思う。確認したら30万人を突破したそうだ。「薬師寺展」は50万人、奈良博物館で行われた「法隆寺金堂展」は10万人を超えたという。その三つの展覧会に行ったことは確かだ
が、並んで入ったことはない。これはラッキーなのだろう。
「対決-巨匠たちの日本美術」
運慶vs快慶
雪舟vs雪村
永徳vs等伯
長次郎vs光悦
宗達vs光琳
仁清vs乾山
円空vs木喰
大雅vs蕪村
若冲vs蕭白
応挙vs芦雪
歌麿vs写楽
鉄斎vs大観