【2007年12月9日(日)】Vol.1
昼過ぎから、戸栗美術館の「開館20周年記念特別展 からくさ-中島誠之助コレクション」と三井記念美術館の「美の求道者 安宅英一の眼 ― 安宅コレクション」の2つの展覧会に出かけた。
午前中は暖かかったが、昼過ぎから風が冷たくなってきた中を井の頭線の神泉から数分歩いて戸栗美術館に到着する。
前回は20周年記念の第2弾を9月16日に観に来た。今回はその第3弾で、テレビ番組『開運!なんでも鑑定団』でお馴染みの「いい仕事してます」の中島誠之助氏のコレクションからの出品という。
「開館20周年記念特別展 からくさ-中島誠之助コレクション」
戸栗美術館所蔵の作品展ではないが、当然のことながらこの美術館を中島氏の結びつきは深いということで、この企画展が開催されたという。中島氏が蒐集された、江戸時代の伊万里が中心となっている。
いわゆる美術品ではなく、大名や庶民が親しんで実際に使っていた骨董器なので、骨董店にありそうな身近な感じがする。が、しかしそこはさすがに鑑識眼、審美眼に優れた蒐集家だけあって、自分の趣味だけではない作品への慈しみや敬愛を含んだ作品群となっているようだった。
たこ唐草、花唐草や様ざまな染付けの妙は息を呑むほどに美しい。小鉢、向付、蕎麦猪口、小皿、大皿などの食器であるので、自然とどんな料理に合うのだろうかといった想像が沸々と沸いてくる。何点かは自宅にある器に絵柄が似ているものもあるし、これは欲しい!といった作品も多数あった。観ているだけでも美しいが、盛付けられてこその美しさが、このような骨董なのだろう。
大胆な構図に繊細な染付けを観る度に当時の陶芸家の創作力の豊かさや真剣さに頭を垂れる。今回はそれに加えて、私財を投じるコレクターの眼力と作品への愛情・愛着を感じられずにはいられなかった。
閑静な住宅街にある戸栗美術館から雑踏の渋谷駅へ向う。次の三井記念美術館は三越前なので銀座線に乗るために、思い通りに動けないハチ公前の広場と交差点を避けてホームに到着。
渋谷や新宿、池袋などの大きなターミナルはカーナビのようなナビゲーターがないと目的地に到達するのに時間が掛かってしまう。そんなナビが欲しい。