■07夏:高野山・奈良・京都旅行(41)
【2007年8月23日(木)】
雨足が激しくなって来た中を本日のメインである金峯山寺に急ぐ。
金峯山寺は7世紀後半に役行者によって開創された修験道の根本道場である。山伏の元祖、聖地と言ったほうが分かりやすい。吉野全体の中でも一番の霊験が高い雰囲気を持ち厳格な風格が漂っている。ましてや篠つく雨であるから一層その趣きが強く感じられる。
【蔵王堂(国宝)】
蔵王堂が雨煙の向こうに徐々に姿を現してくる。
それにしても大きい堂である。木造建築では奈良の大仏殿に次ぐ大きさと言われている。高さは34m。
重層の入母屋造り桧皮葺で36m四方の大伽藍である。
【秘仏(重文)】
元は役行者が修行中に蔵王権現を感得し、その姿を桜の木で刻み堂を建てたことに発するという。
本尊は秘仏であるが、今年は10月に開扉される。5mを超える色鮮やかな本尊が祀られている。左から弥勒菩薩、釈迦如来、千手観音というが、修験道独自のイメージで表わされているので通常の仏像の造形とは大いに異なる。いずれも憤怒の形相で不動明王の雰囲気が漂う。
(※写真:仏教新発見6より)
その秘仏の扉を前にして本堂では丁度信者のご一行が僧侶の説教を聴いていた。
最後に法螺貝を取り出し祈祷する時に、我々にも声を掛けていただいたので便乗した。法螺貝の響きの間に住所・氏名・祈願内容を心で念じればよいという。
修験者が法螺貝を取り出し構える。法螺貝を生で聞くのは初めてだ。すごい音量と共に音色が掠れることなくズシンと響き轟き渡る。何度かリフレインするが実に不思議で表わしがたい空気が漂う。
真空になったような感じだった。
【仁王門(国宝)】
重層入母屋造り高さ20.3mの我が国屈指の山門である。実に立派な門であるが、周囲にスペースの余裕がないために撮影が難しい。