【2007年4月29日(日)】
古伊万里の蒐集が多い戸栗美術館に出向く。今年は開館20周年ということで、名品展が二期に亘って開催され、その後も周年の企画展が続く。第1期は「古伊万里・江戸時代の技と美」というタイトルで開催されている。
連休の中日、閑静な住宅街の松涛には人影もまばらで、京王井ノ頭線神泉駅から散歩がてらにちょうどいい距離を歩き美術館へ。館内も数人程度だが、これまで来た中では最高の人出であった。
【古伊万里】
日本での磁器の生産は、17世紀初頭に九州・肥前地方で始まる。磁器の原料となる陶石が発見され、朝鮮伝播の技術と中国磁器の様式を融合させて日本初の磁器が完成された。伊万里港から出荷されたために伊万里焼と呼ばれていた。
今では江戸時代に生産された伊万里焼を「古伊万里」と呼んでいるが、今回の作品は17世紀初頭から18世紀初の100を越す古伊万里が展示されている。
初期伊万里の素朴な味わい、古九谷様式の大胆な図柄と配色、柿右衛門様式の繊細な筆使いと深い色合い、更に釉薬の妙によって生み出される青磁・瑠璃釉などの奥深い味わいなど古伊万里と一口に言っても様式によってそれぞれ特徴があり、鑑賞するにも学ぶ点が多い。
ふぅ~っと溜息が出る作品に出会うたびに昔日の陶芸師たちの美に対する執着には頭が下がる。
【葱焼き】
夕方渋谷に出るのは危険であることは十分に承知していた。どこかで食事をと思っていたら、茄子好きの連れが葱も好きだというので、東急ハンズ近くの「葱や平吉」へ、渋谷の雑踏を少し横切りながら向かった。
予約をしていないので入れるか分からなかったが、早い時間だったので予約客が入店するまでの制限付きで入れた。
葱の甘みを十二分に楽しませてくれる定番の葱焼き。他も葱尽くしのメニュー。
帰りは渋谷を経由することなく、代々木八幡まで歩いたので連休の雑踏に合うことはなかった。