【2007年1月20日(土)】
東京国立博物館の中国国家博物館名品展「悠久の美」に行って来た。
昨秋の仏像展に2回行って以来、今年初めての東博。
【ベルト・モリゾ】
次週からは東京都美術館で「オルセー美術館展」が始まる。ベルト・モリゾはお気に入りで、小さい時に美術本で見てから、モネの作品というより、また彼の教え子ということより、魅力的な目の女性ということで虜になった。
初めて本物の作品(ベランダにモリゾが立っている作品)を出光美術館(だったと思う)で見られた時は何分もその前に佇んでいた。
印象派は人気なので来週からはこのあたりは大層混むことだろう。
【悠久の美】
「五千年が魅了する。」とパンフレットにあるが、紀元前何千年という太古にあっても、非常に複雑でかつモダンな意匠が並んでいた。中国古代のデザイナーやクリエイターも現代と同様、考え抜いた意匠をその技術を駆使して後世に残す仕事をしていることに感心するばかりである。
土を焼く、あるいは金属を合わせて合金を作る、これらは最初は偶然に発見されたことだろうが、体験を積み重ねていくうちに次第に技術的発展がなされたのであろう。その実用面での成型技術に、機能美や表現美が加わって芸術的な作品になってきたのであろう。当時も現代と同じように技術革新や芸術的進化が日々繰り返されていたのであろう。
【本館:常設展企画】
平成館から本館へ移って、仏教美術関連の常設展示を見る。
本館2階には、彫像の模刻のコーナーがある。前回は東大寺法華堂の執金剛神像、前々回は同じく法華堂の月光菩薩だった。
今回は東大寺戒壇堂の塑像四天王の中の広目天の彫像であった。
昨年初夏に戒壇堂を訪ねた時は、堂内に誰もおらず静謐な中でじっくりと四天王を鑑賞できた。
この四天王は、東大寺の大仏建立で中心的役割を担った造東大寺司次官の国中連公麻呂(くになかのむらじきみまろ)が制作に携わったとの説もある。実物を見ると圧倒されるばかりであった。
戒壇堂内は写真撮影は出来ないのでパンフレットの写真と今回の展示の広目天を比べてみる。どうだろう?
【実物パンフ写真】
【模刻】
若干模刻のほうが細身というか質感が乏しい感じがするが、木彫と塑像の違いが写真という平面で見た場合に現れて来るのであろうか?