【2012年12月22日(土)】
雨も結構降っている。少し靴に水が浸み込んで来てはいた。
清泉ラファエラ・アカデミアの「仏像彫刻の歴史をたどる」講座の後に、田無の総持寺に行こうと思っていた。
どうしようか迷ったが、結局行くことにして、高田馬場から西武新宿線で田無駅へと向かった。
駅から数分、青梅街道沿いに山門があった。
何となく期待感が高まる構えである。
門内に平和観音と共に高野槇が植えられていた。高野山金剛峯寺で初めて見たこの木。ここにあろうとは。
仁王門前では落ち葉を掃除する人がいて、視界に入ってしまうので暫しの休憩。
門内に吊るされている提灯で浅草浅草寺の門を思い起こす。あちらは風神・雷神であるが。
仁王門の左右には当然のことながら、阿吽の金剛力士が立ちはだかっている。
が、裏側には憤怒の広目天と多聞天が安置さているのは珍しい。
境内は思いのほかに広く、すっかり葉が落ちたケヤキの大木が武蔵野の面影を残していてくれる。
ケヤキはニレ科の落葉樹だが、風に強く、火にも強いので防火にも役立ち、硬いために建築資材にも使われるし、仏像にもよく使用される万能的な樹木である。
内側右には鐘楼があり、左手には真言宗らしく弘法大師と興教大師が並んでいるが、片や立像で片や坐像の組み合わせも珍しい。
左手の妙見堂内。
本堂は流れ落ちてくる水のような屋根瓦が印象的な造り。
田無山総持寺は関東36不動霊場の第10番目である。
前身は法界山西光寺といい、草創は行基菩薩が大聖不動j明王を刻んで安置したことに始まる。
その後江戸時代に宿場町であったこの地に寺構を移したとされている。
堂内の本尊大聖不動明王は秘仏のため閉じられた厨子内に祀られている。
真言宗智山派なので、護摩壇もある。
本堂手間には滝の不動という小さな祠があり、中には成田山新勝寺から請来されたとされる、随分と可愛らしい不動明王が安置されていた。
庫裏に伺ってご朱印をいただく。
護摩祈祷のお札が沢山並んでいた。