【2012年6月16日(土)】(東京古寺探訪#70)
金沢文庫で行われている「解脱上人貞慶」展に行く前に、称名寺を拝観。
京急の金沢文庫から歩いて10分程で、総門の赤門(四脚門)に着く。
そこを抜けると左右に塔頭や土産物屋がある参道を進み、銅葺きの楼門の仁王門に辿りつく。
この仁王門は1818年に再建された門であるが、左右に安置されている金剛力士像は4m近くもある関東最大の蔵で、仏師・院興により1323年に造立された力強い作風である。
(昭和45年の解体修理の際に玉眼を嵌め込んだとのこと)
仁王門を潜ると、浄土式庭園の阿字ヶ池に太鼓橋のような反橋と平坦な平橋が架かっている。
称名寺は、金沢山(きんたくさん)と号し、北条実時がこの地に別邸を構えた1258年頃に寺院として創建され、奈良西大寺の末寺で真言律宗であり、北条家の菩提寺である。
往時は七堂伽藍を備えた壮麗な浄土曼荼羅にもとづく伽藍だったというが、その後衰退してしまったが、1681年再建の金堂、1862年建立の釈迦堂が堂宇としては残っている。
梵鐘は1301年に再鋳造された。
釈迦堂は藁葺きの方形型で古を偲ばせるが、釈迦堂と言いながらも堂内には不動明王が安置されていた。???
金堂内を窺うと、六角天蓋の下に結界があり宝塔が立っている。奥の左右には四天王が安置されているが、本尊の扉は開けられていない。
ご朱印をいただきに庫裏に寄ると、仏具を磨いていたご住職に応対していただき、御本尊は秘仏ですかとお伺いすると、「そうではないのだけれど、他で事故があったので、通常は閉めている。というのも開扉するとずっと見守っていないといけないからねぇ、それがちょっと出来なくて。でも、たまに研究とか団体での事前申し込みがあれば開けるけれどね」と言われる。
御本尊は弥勒菩薩様ですよね、と問うと「そうそう、735年前のもので、194cm。模刻が金沢文庫にありますよ」と教えてくれた。1276年の造立。
このポスターがそうですか?と訊くと、そうそう。撮影しても良いですかと伺うと、「はいはい、どうぞ」
あの釈迦堂にはお釈迦様でなく、不動明王が安置されているんですね、と疑問を言うと、苦笑いしながら「そうなんだけど、そんなに古いものじゃないよ。お釈迦様は金沢文庫に今寄託しているところ」と、言われ、いろいろとパンフレットなどを出してくれて、「これは小学生向けのものだけど、よくわかるからどうぞ」といただいた。
真鍮磨きは大変ですね、と言うと、施餓鬼はまだなんだけど、「来月に両親の供養法要があるのでね」とのこと。
ここは真言律宗ということに触れて、近くでは鎌倉とここの2ヶ寺だけとのこと。金沢区内に30ヶ寺あるとのことで、その内12ヶ寺が御室派で、そこのお寺の方に施餓鬼に来てもらうのだとか。
と、ご朱印をいただきながら、話しこんでしまった。
お忙しい中、ありがとうございましたとお礼を言って、金沢文庫に向かった。