【2012年5月6日(日)】湖北・奈良・京都古刹巡りの旅#56
醍醐寺の三宝院で秀吉の気分になった後は、今回のメインである「霊宝館」へ。
春と秋に一般公開される霊宝館には、国宝17点、重文63,657点を所蔵している。
1935年に開館後、1979年に新収蔵庫3棟を新築している。
本館・平成館から。建物の壁面にも桐の御紋のレリーフがある。
沢山の寺宝なので、今メモ帳を見ると、ここだけで6ページになっていた。その中からいくつかを紹介。
【秀吉自筆の和歌】
「醍醐の花見」で秀吉が詠んだ和歌。
「あらためて名を替えてみむ深雲山 うづもる花もあらはれにけり」
普段の感謝と労いを込めて、花見には女房衆も招かたという。
【不動明王坐像】1203年、快慶作
やや右を向き美しく整った衣文に端正な顔立ち。
快慶の特色であるスッキリ感や細かい彫りが、阿弥陀如来と同様に見受けられる。
【如意輪観音坐像】10世紀
目を閉じて優美で艶めかしさがあふれる表情と姿勢。
醍醐寺では如意輪観音信仰が強かったという。
体育館のように広い館内の左のコーナーに薬師三尊像をはじめとして、全部で7体の仏像が安置されている。
【薬師三尊像】平安時代
醍醐天皇の発願で建立された薬師堂の本尊で、852年~935年の作と伝わる、どっしりとした構えで落ち着きのある尊顔。
二重円光背には化仏が飛び出すように配されているのが珍しい。
左右には向かって左に月光菩薩と右に日光菩薩。三尊とも国宝。
牛に乗る閻魔天像、象に乗る帝釈天像が、脇侍の左右に置かれている。
その手前左には、千手観音立像(10世紀)。上醍醐観音堂の像で957年~961年の創建時の建立。
伏し目がちで穏やかさが漂う。
右手前には、阿弥陀如来坐像(12世紀)。来迎印で半眼で優しさが溢れる
くつろぎを感じて、ほっとする。
ここでは(体育館のようではあるが)、法要が営まれるらしい。
いやー何しろ筆舌に尽くしがたい寺宝の数々に大満足の中、仏像館へ。
ここにも多くの仏像が納められている。
【五大明王】
中尊の不動明王は10世紀の作。左から大威徳明王、軍荼利明王。中尊を挟んで、降三世明王、金剛夜叉明王と並んでいる。
不動明王を除く4体の像は細身で、これは醍醐寺像の特徴という。
ということで、他にも見応えのある彫像を拝観して、霊宝館を後にした。