【2012年5月6日(日)】湖北・奈良・京都古刹巡りの旅#48
勧智院での拝観後に東寺の北大門から境内へ入る。
3月20日~5月25日まで「春の特別拝観」が行われている。通常は拝観出来ない、先ほどの「勧智院」、「宝物館」、「五重塔初層」が公開されている。
宝物館の公開は毎回テーマが異なっていて、今回は「東寺の法会用具-祈りと美-」と題した展示内容である。
東寺では多くの法会が行われてきた。その際に使用されてた法会用具には、弘法大師空海が請来したものや鎌倉時代から南北朝時代に創られたものもあり、大切に宝蔵で保管されてきた、という。
1階には、三鈷杵を四方に繋げた手裏剣のような羯磨(かつま)、シンバルのような鈸子(ばっし)、本来如来の説法の音声を象徴する「法螺」などが展示されていた。
2階の展示室には、国宝「東宝記」をはじめとして重文の行道面(八部衆など)が展示されている。これらは実際に被られたのあろう。東博の法隆寺宝物館に収蔵されている面と似たところがある。
そして、この宝物館に来る目的は常設となっている6体の諸仏を拝観すること。
中央の千手観音は像高584.6mの巨大な姿で、肉付きがよい体躯に太い腕、目を伏せながら真正面を向く尊顔、脇手は比較的短く持物はないが、頭上の化仏が輝いている。
他に、地蔵菩薩立像、愛染明王、地蔵菩薩半跏像、如来坐像が展示されている。
そして、なんと言っても必見は兜跋毘沙門天。昨年の「空海と密教展」では360°から見ることが出来た、ハンサムで長萇に金鎖甲を身に着けたなんともイカシタ装束は、唐時代の作で、平安京の羅生門に安置されていたという像である。
この部屋で椅子に座り暫く拝観し、またいつお会いできるか分からないので、記憶に刻みこんで宝物館を後にした。