【2012年3月24日(土)】
サントリー美術館で行われている「悠久の美 東洋陶磁の美」を観に六本木の東京ミッドタウンへ行って来た。
いつかは行きたいと思っていた大阪市立東洋陶磁美術館が今年開館30周年を迎えるにあたって、収蔵品約4,000品のうち、国宝2件、重文13件のすべてを含む東洋陶磁の名品約140点が紹介される。これなら大阪まで行かなくても良い。
100引きとなる新聞広告を持参したところ、受付で、「本日は六本木アートナイトなので500円で結構です」と言われた。1,300円が100円引きかと思いきや、なんと800円も得してしまった。
館内は割合混雑していて、みな一列に並んでの美術館や博物館特有の光景だが、館内の照明が落とされているせいか、賑やかな感じはせず落ち着いて観ることが出来る。
1-2世紀頃(後漢時代)から17世紀(明時代)の中国陶磁と12世紀(高麗時代)から19世紀の朝鮮陶磁が出品されている。
【三彩壺】重要文化財 8世紀 (※写真はHPより)
薬壺型の大きな壺で、緑、白、黄色の釉薬で焼かれている。張った肩から強くしまっていく胴に緊張感があるとの解説。
手にした感触が伝わってくるようだ。
【飛青磁花】国宝 13-14世紀
今回のパンフレット等に使われている元時代の龍泉窯の逸品。
優雅なS字曲線が何とも言えない曲線美を描いている。明るい青緑色の中にアクセントで鉄斑紋があるのが特徴的で、表面の艶も見事。
【青花花鳥文盤】重要文化財 1403-1424年 (※写真はHPより)
大皿の広い見込に枇杷の枝と鳥が描かれていて、その周りに宝相華唐草、外側には菊文がある。この艶やかな白地にハッキリとした藍色が実に美しい。
【油滴天目茶碗】国宝 12-13世紀 (※写真はHPより)
以前観たことのある惹きつけられる天目茶碗である。艶やかな黒色に水に浮かぶ油滴の文様が輝く。それも様ざまな色が混在しているように見える。
縁には金の覆輪があり、全体の印象を一層高めている。
ガラスケース内に置かれているが、本当に手にとって愛でてみたくなる。
龍は中国では「五爪二角」(足に5本の爪と2本の角)で描かれ、龍文は皇帝の独占物でシンボルだったという。
また、朝鮮白磁は王族専用の高貴な白で、白は儒教国家の精神性を象徴する色だという。
久しぶりに陶磁器を鑑賞し、少しは骨董を観る目を養えたのかと思う。