【2012年2月10日(金)】(東京古寺探訪#29)
同じ世田谷区内でも沿線が違うと来ることのないエリアはいくつかある。渋谷からだと東急線で自由ヶ丘で乗り換えて3駅目。
その北口から歩いて数分のところに、「ここお寺?」と思われるような建物がある。
真言宗智山派の「到航山 満願寺」。1470年に吉良氏(世田谷一帯に勢力を誇っていた豪族)によって開基されたという。
茶室のような山門を潜り抜けると、中央に梵字が書かれた柱が建ち、その向こうに1970年再建の近代的な本堂がある。
ガラス扉の向こうに見える堂内は、現代的な荘厳で、護摩壇もあり、何か見事な芸術作品のよう。
中央奥にの厨子も、旧来の装飾とは程遠く、透き簾のような布が掛けられて、本尊の大日如来のシルエットが浮かび上がっているように見える。
向かって右には弘法大師、左に興教大師が、本尊と同じような厨子に入っている。
本堂の左には、尊顔と肌は金色に、衣は彩色文様の一言地蔵が安置されている。一言心を込めて祈願すれば、願いがかなうと言われている。
境内には、鐘楼も多宝塔もある。
多宝塔への元へは行けないのか、ご朱印をいただいた寺務所で伺うと、年に2回しか入れないという。
また、本堂の本尊の後ろに護摩壇があるという。
本尊の脇にある、向かって右は不動明王だが、右が聖観音かと思って、伺うと「調べていない」ということ。
遠目でよく分からないが、聖観音か十一面観音だろう。
この寺院、等々力不動を別院としている。