【2012年1月31日(火)】(東京古寺探訪#18)「江戸三十三観音第十四番札所」
護国寺門前に左右に通る不忍通りを東へ進み、目白通りとの交差地点を南へ坂を下ってしばらくすると、次の目的寺院の「金乗院」(目白不動)の山門に辿りつく。この山門は約200年前の建立という。
金乗院は、真言宗豊山派で神霊山金乗院慈眼寺と称し、1594年以前の創建とされている。山門を入って右手に1971年に再建され2005年に改装された近代的な本堂がある。
御本尊は金剛仏の聖観世音菩薩で像高7cmの小さな仏像らしいが、秘仏で本堂の厨子に祀られている。
結界の多宝塔の奥の須見檀の上に大層立派な厨子が安置さている。
本堂の手前右側には、見たことがない「倶利伽羅不動庚申塔」がある。不動明王が持つ剣に龍が巻きついて、両眼でこちらをギラリと睨みつけているようだ。足元には見ざる・言わざる・聞かざるの三猿が彫られている。
本堂左には弘法大師像が建っている。
庫裏に寄って、奥様にご朱印をお願いした。「観音様で良いですか?」と言われたので、「お不動さんでお願いします。守り本尊なもので。」と言う。
「不動明王は秘仏なんですよね?」とうかがうと、「1月、5月、9月の28日の15時に、本堂から不動堂に移して、法要の後拝観してもらっています。15時から30分ぐらいですし、小さいので良くはご覧いただけないですけど」と応対していただく。
「では、本堂のお厨子の中に、観音様とお不動さんが一緒に祀られているのですか?」とうかがうと、そうだとの答え。ほぅ~っ、そういうことってあるんだ。
目白不動尊は、元々はここより1kmほど早稲田よりの新長谷寺にあったが、戦災で堂宇が焼失したため、金乗院に合併したという。江戸三不動(目白、目黒、目赤)の第一位、江戸五不動随一で、弘法大師作と伝えられる像高25cmほどの断臂不動明王という。
奥様に「山門横の不動堂にはお前立ちが祀られていますよ」というので、辞した後、門すぐ横上の不動堂へ向かう。
小さなお堂の前にはかわいらしい石仏のお地蔵さんが並び、お堂の奥を覗くと彩色のお前立ちが安置されている。右手には剣を持つが、左手は羂索を持つのではなく火焔に包まれている。これが、断臂なのだろう。
やや面長で、辮髪の上に白い冠のようなものが載っているのも分かる。
最後に門から不動堂が入るようアングルを変えて撮ってみた。