【2011年3月19日(土)】「白洲正子 神と仏、自然への祈り」#1
世田谷美術館で始まった「白洲正子 神と仏、自然への祈り」へ行って来た。(会期:2011年3月19日(土)~5月8日(日))
以前拙ブログで紹介した
予告記事を訪問される方が予想外に多かったので、初日に鑑賞してレポートすることにした。
それは、今回の企画が「 神と仏、自然への祈り」と題されていたから。
今、多くの「Pray for Japan」がツイッターでも動画でもあげられている。今回の大震災で被災された方たちや復興に全力を投じていただいている方への無事と安全を「祈り」、日本人が脈々と築いてきた信仰を白洲正子の眼で捉えたことの企画意図を少しでも多くの人たちに知ってもらうことも必要かと感じた。
9時55分、開館5分前に世田谷美術館に着くと、既に40名程度の列が作られていた。
しかし、入場すればかなり余裕で鑑賞できた。
展示構成は、正子の著作を中心としての10のコーナーから成っている。
1:自然信仰
2:かみさま
3:西国巡礼
4:近江山河抄
5:かくれ里
6:十一面観音
7:明恵
8:道
9:修験の行者たち
10:古面
出展作品には、原稿用紙に当該個所の正子の文章が添えられてパネルにされているので、正子の著作を読んだことのある人には思い出すことが出来るだろうし、読んだことのない人にとっても解説として分かりやすいと思った。
展示企画者の優れたアイデアだと感じた。
展示の初めに正子の直筆の原稿があった。
「手を合せる」
冒頭の部分を引用する。
「手を合せるとういうのは、古今東西を通じて、神に祈る時のかたちである。
そこに十字架とか、マリア様とか、神像や仏像のたぐいがある時はやりやすい。人に祈ることを教えるためにそういう目標を造ったのではないかと思うことさえある」
と書かれている。
この日、展覧会の後に墓参に行くために、般若心経を携えていた。
今、僅かばかりの募金をし、節電に努め、買占めすることなく、自然の驚異を感じ、人災を避けて、日本の復興に手を合せて「祈る」しか自分には出来ない。
※
「白洲正子 神と仏、自然への祈り」#2に続く。