【2011年2月13日(日)】
先日東京国立博物館の
特別展「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」を見に行った際に入手したチラシ。
「白洲正子 神と仏、自然への祈り」が3月19日(土)から5月8日(日)に世田谷美術館で行われる。
今ちょうど、著作「かくれ里」を読んでいるところ。
これまでに「十一面観音巡礼」、「近江山河抄」、「西国巡礼」、「私の古寺巡礼」(いずれも講談社文庫)、「白洲正子自伝」、「いまなぜ青山二郎なのか」を読んできた。
白洲正子は、言わずと知れた(少し前にブームになった)戦後GHQ支配下で吉田茂の側近として活躍した白洲次郎の妻であるが、能、絵、書、骨董、古寺社の建物や仏像などの日本の美に造詣が深く、多くの著作がある。
ちょっとした教養を前に出すような女性誌などでは白洲正子特集を組んだり、また次郎と住んでいた東京郊外の武相荘へのツアーなども組まれているほどである。
が、そんなところには興味はなく、彼女が訪れて書いた寺社や仏像なのど文章を読むと、そのスタイルに特徴があり、語り口が実に鮮やかでしっくりとくるところが多いのと、知らなかった古寺社へ行ってみたくなる気にさせるところが気に入っている。
今回の企画内容は、著作ごとの展示コーナーによって構成されているようで、
「Ⅲ:西国巡礼」では、粉河寺の「粉河寺縁起絵巻」、岡寺の「菩薩半跏像」、長谷寺の「法華説相図」、
「Ⅳ:近江山河抄では、「長命寺参詣曼荼羅」や「円空仏」、
「Ⅴ:かくれ里」では、油日神社の「福太夫面」や櫟野寺の「毘沙門天立像」、
「Ⅵ:十一面観音巡礼」では、観菩提寺の「十一面観音立像」や、那智山経塚から出土された「金銅十一面観音立像」、
など、白洲正子が訪ねた寺社の名宝約120件が公開される。
ちょっと嫌な予感は、混雑。白洲正子の本当のファンばかりでなく、俄か知ったかおばさん連中が押し寄せることが予想されることだ。
※初日のレポートはこちら。