【2011年2月5日(土)】
平成館での
特別展「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」を見終わると16時半、その後いつものように本館に向かう。
1階右には11室:彫刻室がある。ここはいつも仏像が展示されているが、展示替えがあり、要チェックのところである。この日は奈良・秋篠寺蔵と滋賀・櫟野寺蔵の平安時代作の十一面観音立像が展示されていたが、これらは写真撮影不可。
部屋に入ってすぐのところには、京都・醍醐寺蔵の平安時代作の聖観音菩薩立像(重文)が置かれていた。小ぶりではあるが、堂々とした体躯に見事で豊かな衣文を身につけている。
白檀から彫り出した壇像である唐時代の多武峯伝来の十一面観音立像は、インド風のエキゾチックな面貌にやや肢体をゆるやかにくねらせた立ち姿で、装飾物が繊細に彫られていた。
他にも宝冠の細工が巧妙で天衣が流動的に造られている十一面観音立像も展示されていた。
2階の1室「仏教の興隆 ―飛鳥・奈良」も要チェックのところである。西大寺蔵の釈迦如来坐像が展示されているほかにも、興福寺の鎮壇具が数多くある。
等身大の十一面観音立像は奈良時代作で、全体的に聖林寺の国宝・十一面観音立像に似ていた。
その奥の国宝室には雪舟の「秋冬山水図」が2幅展示されていた。水墨画の造詣がないが、構築的な空間構成、強調された輪郭線、また細い線による簡略化された皴法が雪舟様式の特徴だという。
東京国立博物館の平常展も見逃せない。(収蔵品と寄託作品を中心とした展示を新たに「総合文化展」と名づけというので、正確には平常展ではなく「総合文化展」である。)