【2010年12月29日(水)】恒例年末ゆるり古寺古刹巡りVol.9
戒光寺で丈六の釈迦如来立像を拝観して、本日の参拝は終了。13時半から東寺、即成院、戒光寺と回って、16時近くになった。泉涌寺道のバス停から五条坂まで市バスで移動し、骨董器の「アンティーク青華堂」に立ち寄る。
数年前から骨董店を覗き見しては、少しずつ普段使いの骨董器を買い求めてきている。京都ではこの青華堂さんと祇園の吾目堂さんに立ち寄る機会が一番多い。
どちらのお店も祇園末吉町のカウンター割烹「大神」のご主人が御贔屓に、また骨董器店の女将さんたちも大神を御贔屓にしている関係である。
骨董コレクターでも料亭などの買い付けではなもが、もう顔も覚えて頂いているし、購入した器も覚えて頂いている親しめるお店である。ここはお店に並ぶ数が半端ではない。もちろん手が出ない高級な器も数多くあるが、少しは手軽に揃えられるものもある。
いつも、「今日は何をお探し?」と聞かれるが、見て回って色々と教えていただきながら、気に入ったものがあれば、勢いで購入してしまうのが、いつものパターンである。
店内の品々を見ながら、「うーーん、これはいいね」とか、「へぇー、こんなのあるんだ」とか言っていると、「こういったのものありますよ」と箱の中や奥から「いいでしょ」と言って面白いものを出して来てくれる。
そんな1点で、見た瞬間に気に入ったのがこちら。雌雄の鳳凰が細かく描かれている江戸中期の伊万里。飾り皿としてもいいが、「これに少しお寿司でも盛ったらいいですわ」とも言われる。
また、江戸中期にしてはモダンな形と絵柄と配色で、見込みの模様も素敵だが、脇に龍が描かれている皿も2客選ばせて頂いて購入。
「お雑煮にも味噌汁でも何にでも使えるわよ」と言いながら出して来てくれた、深い朱色の塗り椀は丁度手頃な大きさで、こちらも2客を購入。初めて(かな)漆塗りの骨董品を買ったのは。
お茶菓子の苺大福を頂きながら、「明日、大神さんに行きますよ」と言うと、「大神くんは、価値がある。本当に価値がある。」とベタ褒めするも、「でも、よう喋ってうるさい」と、ミシュランで元気と称されたご主人を「くん」呼ばわりして、「でも、先日も行ってきましたわ」とその関係が話をされていた。
最近は京都の料亭さんばかりでなく、寿司屋やフランス料理店、東京の骨董店も買い付けに来ると言う。龍のコレクターに有名人もいると聞く。丸紋などの絵柄のコレクターの他にも金番で修理したものを集める人もいるそうで、深い世界であると改めて感心した。