【2010年12月29日(水)】恒例年末ゆるり古寺古刹巡りVol.5
13時半頃、東寺に到着。先ずは金堂から拝観。
【金堂】
現在のお堂は1603年に竣工したもので、内部は非常に複雑な構造になっていて木組みが芸術的である。
薬師三尊が安置されているが、中央の薬師如来の台座には彩色が豊かに残った十二神将がぐるりと支えている。中尊の舟形光背は七仏薬師を配しており、薬師如来を包み込むように立っている。また、右手は中指を、左手は中指と薬指を少し折り曲げている印を結んでいる。
堂内に差し込む陽の光で、薬師さんの両目が輝いていた。
中尊の向かって左の月光菩薩、右の日光菩薩はそれぞれ左右の手に蓮の花を携えてシンメトリーを形成している。ちょっと膨らんだ腹部に法輪が置かれているのが可愛らしい。
【講堂】
言わずと知れた密教の教えを表現した立体曼陀羅である。現在の講堂は1492年に再建された。内部は白壁に朱色の柱が目に鮮やかに映る。
全部で21尊が並ぶ堂内の中央の如来部の中尊の大日如来は智拳印を結び、目がパッチリと愛くるしささえ感じられる。
その向かって右側の菩薩部の中尊である金剛波羅密多菩薩は、右肘を立て左肘を横に張り堂々とした趣が印象に残る。
左手の明王部の5体の仏像は密教の独自の世界観を持っているので、ひと目見ただけで、釘付けになってしまう。
講堂の四隅には四天王が、左には牙の長い象に乗り独鈷を持つイケメンの帝釈天が、右には4羽の鵞鳥に乗った梵天が配されている。
如来部の5体は重要文化財だが、残りの15体はすべて国宝。この立体曼陀羅を前にしていると、その世界に魅了される。
鎌倉時代に運慶がこれら諸仏の修理を行った際に、頭部に仏舎利が埋め込まれていたのを発見している。
【食堂】
堂内には目新しい十一面観音が安置されているが、その左手には食堂が焼失した時の仏像が痛々しい姿で残っている。
ここは納経所なので、いつもご朱印を頂きに来る。十数種類ある朱印から今回は「弘法大師」をお願いした。
ずっと東寺のご朱印帳を使っているので、新しい1冊も購入した。
【ご朱印】