【2010年10月14日(木)】平城遷都1300年祭の旅-秋篇Vol.5
薬師寺東塔と対の位置に建っている、昭和56年に453年ぶりに再建された西塔は、再建後10数年が経過しているが、外観を東塔と比べてしまうと、まだ風格がないように感じてしますが、実は天平時代の創建時はこのように朱色が鮮やかに彩色されていたわけで、その意味では天平時代にタイムスリップしているとも言える。
同じく再建されている中門、金堂、講堂、回廊と一緒に目にすると、天平時代が再現されているようである。
その西塔もこの日東西南北四面が開扉されており、初層内陣が拝観できるようになっていた。
東塔とは異なり、内陣には釈迦や弥勒などの仏像が四面に安置されている。また柱には彩色はなく、装飾の掛け物が掛けられている。だが、天井には彩色鮮やかな文様が一面に散りばめられており、実にきれいで思わず息を呑むほどである。
これまで、いくつかの寺院の塔の初層の公開を拝観させてもらってきたが、四面すべての扉が開いているのは法隆寺を除けば初めてで、その大らかさが、これまた天平時代のようであると感じられた。
東塔が解体修理している間は、この西塔が一基でいるわけであるからこれまで以上に脚光を浴びるであろう。