【2010年7月4日(日)】
新聞の美術館案内欄で見つけて気になっていた山種美術館で行われている「浮世絵入門」は、江戸時代の絵師:歌川広重の<東海道五拾三次>を一挙に公開展示している。
ちょうどテレビ番組でも2度ほど観たので、暑い最中ではあったが恵比寿まで行ってみた。
ビルのドアをを潜ると入館待ちの列に出くわした。昨日のテレビ番組のせいか、浮世絵の好事家がこんなにもいるのかと戸惑いながらも、折角来たのだからと20分待ちの列に並ぶ。
ようやくのこと地階の展示室に入っても、そこには行列が続いている。
しかし、これだけの数の浮世絵を身近に観た経験がないだけに、その緻密な作品には驚かされた。
作品の大きさは思っていたほど大きくはなく、A4版ほどの大きさであった。
日本橋から始まる東海道の宿場町や景色をモチーフとして、大胆なデフォルメがされてあったり、正確な描写もあったりと、硬軟織り交ぜた構図に加えて、道中を行き交う人物などのディテールも事細かに描かれている。
色彩も落ち着いた色の組み合わせの妙が引き立っていて興味深かった。
他にも北斎の<冨嶽三十六景 凱風快晴>や写楽の<三代目坂田半五郎の藤川水右衛門>などの名作も展示されていた。
混雑さえなければ素晴らしい展覧会ではあるが、ズブの素人なので愚痴は言うまい。