【2010 年5月3日(月・祝)】平城遷都1300年祭の旅-春篇Vol.49
南大門へと続く参道は人で埋め尽くされている。両側に並ぶ屋台にも、道の中央にも人が溢れている。自転車に乗って通行しようにも思いのままにはいかない。
そして、南大門の基壇の上にもカメラを構えた人たちが、右や左の仁王像を被写体にしようとして立ち並んでいる。したがって門の中から向こう側が見えない状態である。
通常は表側に向かって門の両側に立ちはだかっている仁王とは異なり、東大寺の場合は門の内側を向いて建てられている。そして、左の阿形の仁王は左を、吽形の仁王は右を、それぞれ向いているので、両方の仁王との視線を合わせるには、大仏殿寄りに立つと良い。
運慶一門が69日間という非常に短い期間に仕上げたこの阿形・吽形の巨大な木造彫刻は、いかにも仁王様だという風格がある。本当に仁王様が実在するならば、その実際以上に写実的である。
それにしても、大きさに対する感嘆と共に、どうやって造ったのかという仏師たちの造作の技に対する疑問は尽きない。