【2010 年5月2日(日)】平城遷都1300年祭の旅-春篇Vol.38
聖林寺からブラブラと歩いて安倍文殊院へ向かう。しっかりとした案内表示板が付けられていないが、所どころに手作りの標識があるので、それを頼りに
歩いてみたところ、30分ぐらいでたどり着くことが出来た。
以前来た時は桜井駅からタクシーで聖林寺、安倍文殊院と回ってしまったので、自分たちの肌で感覚を掴んでいない。やはり歩くのはその土地を知るのに良い。
参詣受付付近は大勢人がいて、受付後抹茶のサービスがあるが、その部屋も人でいっぱいである。我々が拝観を申し込むと、お寺の方から懐紙を頂きながら、「拝観後にお茶を一服どうぞ」と言われたので、先に文殊菩薩を拝観しに行く。
今回は平城遷都1300年祭のために、特別に文殊菩薩が獅子から降りたて獅子の前に出でているのである。この獅子も大きいが文殊菩薩も大きく、獅子の上に乗ると高さ7mほどにもなるので、今回は文殊菩薩がぐっと身近に見える。快慶作の文殊様は実に理知的なお顔立ちをしている。獅子が文殊の真後ろにいるので、獅子の顔は見えにくいが、目は優しく少し照れるような感じである。
滅多に見ることの出来ない降りた文殊様をゆっくりと眺めていると、先ほどお茶を召し上がっていたご一行が来て、説明を受ける時間となった。
この文殊様は日本三大文殊の一つで、他は山形と愛媛にあると言う。獅子から降りるのは実に800年ぶりという。
他の部屋にもいくつかの仏像が安置されているが、文殊菩薩に圧倒されて影が薄くなってしまいがちだが、それなりに秀作である。