【2010年4月24日(土)】
丸の内に「三菱一号館美術館」がオープンした。明治時代中期に建てられた洋風事務所を再現して建てられた三菱一号館が美術館となったようだ。
二重橋前駅からすぐの洋館は新しい丸の内のアイコンになっているようだ。洋館と呼ぶにふさわしい趣がある。
表側から入ろうと思ったら、入口は中庭側にあるというので、そちらに回ると開館の10時に既に行列が出来ていた。
オープニングの企画展は「マネとモダンパリ」と題し、マネが生きたパリの時代を通して、近代絵画の創始者でのちの印象派たちに大きな影響を与えたマネの全貌と、変わり行くパリの街並みを紹介している。
美術館を目的として建てられた建造物ではないので、小部屋が続いていて回りにくい面は否めないが、時折中庭を見渡す廊下などがあり、気分転換にはちょうど良い。
さて、目的は一つ。ベルト・モリゾに逢いに行くことであった。小学生の頃からマネの描くベルト・モリゾには憧れていた。今回の作品で有名なのは、「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」である。
帽子もストールもドレスも黒。そのなかでまっすぐにこちらを見つめるモリゾの瞳は明るいブラウンで大きく見開かれている。胸の前に紫と青の菫がポイントとなっている。
この少し漫画的でもあるじっとした可憐な大きな瞳に魅せられる。こちら側の誰を見ているのだろうか?極めて意味深長な作品である。