【2009年8月23日(日)】
久しぶりに五反田にある薬師寺の東京別院に写経に行く。東口から数分の高台に立つ寺院は、奈良の薬師寺の面影はなく、道場のような構えである。
昨年、東京国立博物館で行われた「薬師寺展」の期間にこちらでも「もうひとつの薬師寺展」が行われていた時に来た時以来なので、もう1年以上もご無沙汰していた。
2階の受付で、写経勧進納経集印帳を差し出し、妻の分も一緒にして印をもらう。抹茶を一服いただいて、精神を落ち着かせ、丁子を口に含んで写経場に入る。
入って左手には20席以上の写経机が並んでいる。その奥正面には薬師如来が坐している。
その一番前の机に座って、墨をゆっくりと摺り、お手本の上に重ねた半紙に般若心経を書き始める。
般若心経二百数十文字をお経を心の中で唱えながら、書写していく。習字ではないので、多少文字がうまく書けなくとも気にせず、一心に書くことで集中し、無心になっていく。
以前に比べると般若心経自体を覚えたこともあり、節ごとに書いていく調子が掴めた。最後に願い事を添えて書き終わり、薬師如来の横に納める。
実際には奈良の薬師寺に納経され、写経料は薬師寺伽藍復興に供される。来年からはフェノロサが「凍える音楽」と称した東塔が10年におよぶ修理に入る。