【2009年7月3日(金)】
以前同じ会社で今はやはりネット業界で代表をしている元後輩と会食となった。
二人ともインターネットの黎明期から携わっているので、もう十数年もこの業界にいる。自ら飛び込んだわけだが、その前は旧態然とした広告会社に勤務していた。入社数年と現在の状況を比べると隔世の感がある。
といった話題から入って、「便利になったけど、それって果たして豊かになったの?」と自問自答を始めた。例えば、新幹線が出来て東京-大阪間は3時間足らずで結ばれたけど、自然の風景を感じた旅情を味わえなくなっている。これは豊かじゃないよね。時間は買っているけど。
じゃあ、時間だけなのだろうか?「早い、安い、旨い」で検証してみようということになり、色々な事例を挙げてみた。
インターネットの普及は確かに辞書を引く手間を省き、時間も短縮され、知識も豊富になった。知見を得ることもできるようになっている。
だが、振り返って自分の生活は豊かか?日本はこの20年間豊かにはなっていない。借金もこんなにある。社会的なインフラは整備されたが、自国が豊かになったと誰が言えようか?
毎日、解散・総選挙のニュースは出てくるものの、政権交代が起こせない硬直した政治システムを受け入れていることさえも、社会的なインフラを最優先に整備し、それこそが、「豊かさ」であると公然と自負してきたのは自分たちではないのか?
「便利になる」ことで、「失う豊かさ」に目を瞑っていたのではないだろうか?これ以上の便利さを追求することが、生活や精神を豊かにすると誰が断言できるのだろうか?
と言ったことをしゃべっていた間に、料理もワインも進んだ。赤いスパークリングワインの後ワインは2本忘れずに撮影できた。
古き良き時代へ逆行出来ないことはよく分かっているのだが・・・
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