【2009年4月18日(土)】
先日「阿修羅ファンクラブ」の会員特別鑑賞会で「阿修羅展」に行ったものの、折角東京で会えるのであるからにはもう一度ということで、やはり2回目を観たいという妻と、二人とも仕事帰りの土曜の夕方に上野で待ち合わせる。
それにしても上野は混んでいる。花見は終わったというものの、阿修羅目掛けてだけではないのだが、様ざまな人種が上野に集まる。こういう場所は日本には他にない。
今回の阿修羅展は週末20時まで開館しているので、17時過ぎに行っても余裕で観ることができる。阿修羅展だけでなく、いつもこうしてもらいたいものだ。
展示室は混んでいるものの、どこも一番前では観ることが出来るほどだ。
それにしても、これらの像はなんとシャレた装束を纏っていることか!流行の最先端を行くモードファッションであったのだろう。実に洒脱である。
鑑賞のコメントは
前回のブログで。
阿修羅を含めて、十大弟子も八部衆も脱活乾漆像という非常に高度な技術が必要な、しかも高価な原材料費がかかり、日数も要する技法で造られている。これを 1年で制作した工房の仏師たちの情熱とスキルが想像以上に高いものであったことが良く分かる。そして藤原氏の財力が国家財政よりもあったのではないかと思わせるほどである。現代では出来ない、天平時代であったらかこその歴史の必然性のようなものを感じる。
手に届く近さで観ることが出来た各像ではあるが、何度も襲われた火事の時に僧侶や仏師が担ぎ出した時のように、一度抱えてみたいというのが正直なところである。