【2009年3月15日(日)】
昨日から世田谷美術館で始まった「特別展 『平泉』 みちのくの浄土」を見に行く。パンフレットには「国宝中尊寺金色堂西北檀の仏像十一体がそろって初公開。」とあるので、これに惹かれて好天の午前中に美術館に着く。既に砧公園の駐車場は満車状態のようだった。
入口を入ると目の前に、金色堂の模型が展示されている。三檀で構成されている金色堂の一番右の西北部分の仏像が来ている。中尊寺には行ったことがないが、この金色堂自体が保存のため建物で覆われているという。「世界遺産登録をめざして」今ホットなエリアである。
奥州藤原氏の栄華をシンボライズするのがこの金色堂だ。初代清衡は戦乱を鎮め、仏教に基づく平和な世界を中尊寺に具現化した。とは言え、その栄華が偲ばれるほどの豪華絢爛な仏教美術の数々である。目玉となっている西北檀の阿弥陀如来をはじめとする壇上諸仏は念持仏のように小型ではあるが、金箔が豊かに残っており、金色堂であれば更に黄金色に輝くのだろう、それが浄土の世界観になっていたのだろうと想像させる。
中尊寺では中央檀に清衡、西南檀に基衡、この西北檀には秀衡の遺体が安置されているというが、檀は西側に東向きに並んでいるので、見るものは西方極楽浄土を見ることになるのだろう。
しかし、目玉はそれだけではなかった。天台寺の鉈彫りの聖観音は、鉈彫りの大胆な造作手法で豊かで繊細な表情や衣文を構築していた。また、見事な意匠性で見るものを感心させる金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図、紺紙金銀一切経など、なんと国宝57点、重文41点もが紹介されている。
駐車場の満車で懼れていたいたほどの入館者ではなかったが、熱心な観賞者が多くいた。
「特別展 『平泉』 みちのくの浄土」 3月14日~4月19日
世田谷美術館:世田谷区砧公園1-2 TEL:03-3415-6011