【2009年3月1日(日)】
読売文学賞・紀伊国屋演劇賞・読売演劇大賞「最優秀演出賞」受賞の燐光群の「屋根裏」の14時のマチネを観に行った。
小田急線梅ヶ丘駅から1分のフリート梅丘の地下にある燐光群のアトリエ梅ヶ丘BOXで2月20日~3月8日まで行われている。既に7年間行われアメリカやヨーロッパ各地でも上演されているこの劇は、現代社会が抱えている「ひきこもり」を扱った坂手洋二氏の作・演出による社会派演劇である。
午後2時開演の20分前から会場となった。既に30名以上の人が詰め掛け、地下のアトリエへは順番に10名づつ入っていく。開演前には狭い劇場に70名以上の観客が集まり、身動きできない状態の中、固唾を呑んで開演を待つ。10代から60代までの男女と幅広いファンが来ている。
よくここまで詰め込むことが出来るものだ、と感心する一方で、それでも見に来ている人のパワーにも感じ入った。
舞台は変形矩形の屋根裏部屋に様ざまなひきこもりのパターンを登場させ、そこに色々な事件を生んで展開していく。人が一人寝られるほどの狭い屋根裏。そこを舞台装置と照明を巧みに使って広がりを付けている。観る人の想像力と演技者の創造力。空間的な制限を逆に利用した演出には驚かされるばかりである。
出演者の入れ替わりは何十回にも及ぶ。その熱演は小劇場だからこそ感じられる観客との一体感から出来るのかも知れない。2時間強の時間身動きせずとも見入ることが出来る熱演の演劇だった。