【2008年2月10日(日)】京の冬の旅Vol.15
数年前に「奥丹」で湯豆腐を食べた後には、出汁と九条葱と山椒で食べる方法を自宅でも応用していた。京都の湯豆腐と一口に言ってもその店その店で豆腐も調理も食べ方も独自のものがあるので、本当なら京都の豆腐と括ってはいけないのかもしれない。
12時ごろに順番待ちの予約を入れていたが、まだ順番は回ってきていなかった。店の前に併設されている売店では、お土産を買う人たちで混雑している。タクシー観光で乗りつけるお客さんや食べ終わって店から出てくる人で、門の前はちょっとした駅前の混雑ぶりだ。係りの人はインカムをつけて、店内とのやり取りをしている。
待つこと数分。
門を入ると、左右にも奥にも店の建物がある。右手奥には庭も広がっている。大店である。門を入って右側の椅子席が並ぶ店内に案内された。畳の部屋よりも座りやすいので助かった。畳の場合はまた風情が異なって、京らしいのかも知れない。
京都の豆腐は何故有名になったのか?それはやはり旨いからだろう。豆腐は大豆を原料とするが、京都産ではない。ということは京都以外でもおいしく作れそうであろうが、そうならないのは、この白い塊、豆腐の原材料の9割が実は水にあるからのだろう。最近では豆腐屋さんを見かけることが少なくなったが、豆腐作りには大量の水を使う。上質な地下水が豊富に涌く土地でしか旨い豆腐は作られないのであろう。
それと禅寺との密接な関係もあるだろう。南禅寺も天龍寺も門前に豆腐料理を出す店が多数あるのはそういうことなのだろう。
湯豆腐は食べ頃になった時点で、お店の中井さんが蓋を取ってくれた。
柔らかくもしっかりとして香りも高い豆腐料理を、雪が残った庭を観ながら、おいしくいただいた。