【2007年12月30日(日)】大阪・京都年末旅行Vol.12
最近読んだ白洲正子の著作の中に平等院と宇治上神社について書かれていたところがあった。平等院は西方極楽浄土への往生を願って藤原頼通が仏寺として大伽藍を築いたが、阿弥陀如来が安置された御堂へは、宇治上神社のある東側から宇治川を渡ってお参りしたそうである。創建も平等院と同じころとされている。
「さわらびの道」と名づけられた整った小路を歩いていくと、朱色が鮮やかな鳥居が見えてくる。脇には「世界文化遺産」と大きく書かれた看板も立っている。本殿の背後に控える山と共に鬱蒼とした木立が神社全体を包み込んでいて、霊験あらたかな趣きが感じられる。
拝殿の前には白砂で山が二つ築かれていて、神事が行われる場所であるという雰囲気が漂っている。国宝の拝殿の屋根は、長い一直線の妻を一層引き立てるような優美な檜皮葺き曲線の芸術だ。
拝殿の後方で数段階段を上がったところに、日本で一番古い神社建築と言われる国宝の本殿が祀られている。この本殿は、内に3棟の内殿を有している覆屋となっている。中を覗くとほぼ同じ大きさの社が鎮座している。この屋根も見事としか言いようのない檜皮葺きの曲線美である。
中の神殿の欄間の上にはリーフレットの表紙を飾っている脚線の美しい蟇股が付いている。
ご朱印にも世界文化遺産と押印されているのは、登録されて余程嬉しいのだろう。何だかその無邪気さが、立派な文字とアンバランスで却って好感を持ててしまう。
宇治上神社の下方には、以前は宇治上神社と一体であった宇治神社が祀られている。この鳥居の反対側は宇治川に架かる朝霧橋へ続く道で、その先には平等院鳳凰堂が位置している。