【2007年10月13日(土)】Vol.8
泉涌寺の総門を抜けて数分歩くと左に戒光寺がひっそりと佇む。こちらも泉涌寺の塔頭である。つい最近買った雑誌と京都の仏像案内文庫本に即成院とこの戒光寺が掲載されていた。
泉涌寺は参詣したことがあったが、塔頭を周ったことはなかった。しかも見ごたえのある仏像があるという。
【戒光寺】
門も本堂も塔頭という子院の趣きが漂う。小さいながらもしっかりと根付いた感じがある。
【丈六釈迦如来(重文)】
本堂に入ると左の受付にはお守りなどが並んでいるが、どなたもいない。呼び鈴を鳴らすと奥から住職が来られたので、朱印帳を預け、拝観させてもらいますと告げて本堂の前に座る。
見上げるほどの大きな釈迦如来がきらびやかな光背の前でしっかりとした姿を現している。尊顔の上のほうはかがみ込んで下から仰ぎ見ないと見られないほど大きい。ふと「ほーぅっ」と溜息が出る。お顔の金色の輝き、大きな施無畏院の手の平が印象的だ。
丈六というのは、釈迦の身長が一丈六尺という約4.8mもあったということから造られているが、足元から髪の生え際までが丈六なので、頭の上までとなるともっと高い。この像だと5.4mにもなり、台座から光背の先までは10mにも及ぶと言う。
鎌倉時代の有名な仏師である運慶とその子の湛慶の合作という。大きな仏像で圧倒的な存在感があるものの、慈悲深いお顔で身近な存在感を漂わす。
顎についた血の跡の故事から、身代わりのお釈迦様と呼ばれているという。
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次の拝観者の方が来られた。好事家は自分だけではない。