【2012年12月23日(土)】
世の中クリスマス一色で、無宗教と言われる日本人は、無党派層と同義に近く、墓参もすれば、法事もするし、でもクリスマスは大イベントでもあり、教会には行かないもののプレゼントやケーキは常態化し、家までイルミネーションで覆ってしまう。
経済効果は高いのでいいんじゃないと思いながら、雨の中五反田の清泉女子大学に向かった。
すでに校門では、守衛さんに「おはようございます」でカードを見せずとも入れるようになった。
キャンパスは2週間前の銀杏の色付きはなく、椿が咲いていた。季節の移ろいは早いものだ。
校内にはクリスマスツリーが置かれ、その講堂では、学生たちがクリスマスイベントなのだろうか?演技の練習をしていた。
清泉ラファエル・アカデミアの「仏像彫刻の歴史をたどる」講座の後期の最終回。
平安前期の仏教美術を春秋計10回のファイナル。
本日は「仁和寺の阿弥陀三尊像」を中心とした講義。黒板のクリスマスリースとこの文字に違和感を感じなくなった。
信じる者は救われるのは、世の東西古今にあるものだ。
平安期に遣唐使船(特に、空海と最澄)に乗って、身を呈して往時の唐の密教を日本に持ち込んだことが、その後の日本における仏教界に甚大な影響を与えた。
それが、今回の講義のテーマになっている。
奈良時代に説法印が主流だった阿弥陀如来像がこの平安前期には定印になっているのは、密教の影響だとういう。
等身的な大きさはその当時の天皇追善に表れる一種の流行りとか。
昨年の「空海と密教美術展」で東博にも来られた仁和寺の阿弥陀三尊像。本尊も脇侍も覚えていた。
今は春秋の特別公開時に霊宝館で拝観できる三尊像も、本来は本尊であったが、その後横に押しやられていたというが、近年の研究で本尊と判明したという。
来年は平安時代後期とのこと。春・秋とも申し込むのだろうなぁ。