【2012年12月8日(土)】
炎天寺で時計を見ると、15時近くになっていた。
果たして、本日のメインイベントの西新井大師の15:15の回の護摩祈祷に間に合うか?
急ぎ足で竹ノ塚駅へ向かい、1駅の西新井駅で大師線に乗り換える。
この線は1駅のみで大師前に着く。西新井駅での改札=大師駅ということなので、大師前には改札がない。
(※本当に時間の余裕がなかったため、以下の写真は時系列ではなく、実際は駅から裏道で祈祷受付所に向かった)
参道はそれほど長くないが、両脇には店が並ぶ。
山門は江戸後期の楼門で、楼上には五智如来が祀られているらしい。両脇には仁王が立ちはだかる。
15時10分頃に祈祷受付に着く。
「まだ、次の回は大丈夫ですか?」と受付の方に聞くと、大丈夫だと言われるので、直ぐに申込書に記入。
「本堂内でお待ちください」と言われるので、本堂へ。(2回目なのでここまでは慣れたもの)
1972年建立の本堂が視界の中いっぱいに展開される。
堂内に入ると、すでに多くの方々が広い本堂の畳の後方の壁沿いに座っている。
???
なんでそんなに後ろに居るの?もっと前に追いでよと言いたくなった。
まだ、ほんの少し時間があったので、写真撮影。(そんな行動を後ろで皆が見ているような気がした、何やってんっだ、あいつは。というような)
真言宗豊山派の西新井大師の本尊は十一面観音に弘法大師らしい。厨子が閉じられているので分からないが、四方に四天王が守護している。
向かって左に阿弥陀三尊像、右手には薬師如来が安置されている。
仏像小僧は「写真撮影禁止」以外のところは何でも撮ってしまう。
もちろん事前に許諾を受けるところもあるが、東京の寺院は拝観料も撮影禁止の張り紙も少ない。
時間になって、緑の衣の僧侶から先ずは説明を受ける。祈祷の最中の決まりごとで、合掌するところなどを教えてくださる。
自分ひとりが、最前列(相撲で言えば砂かぶりの場所)大太鼓の前に陣取る。真ん前だと護摩の所作が分からないので、やや左横だ。
鐘の音がすると、やがて太鼓が響き、緑の袈裟の僧侶2人、赤い袈裟の僧侶、更に緑の袈裟の僧侶2人の計5名の僧侶が右手より入堂する。
さーっ、これから始まるぞ、と期待で胸がワクワクする。
お経が唱えられ、鐘や太鼓が打ち鳴らされ、やがて4名の僧侶の声が大きくなって同期していく。
中央の護摩壇の前に座られた僧侶が、 五鈷杵や五鈷鈴、数珠などの法具を使って祈祷に入る。
そして、いよいよ護摩壇に火がくべられる。
護摩壇の火を見る度に、密教が拝火教(ゾロアスター教)と結びついたことや、古代原始時代から人間が如何に火を崇めてきたかが脳裏によぎる。
火に護摩木が投げ入れられ、その炎がだんだんと高くなっていく。
そのパチパチと鳴る火の音とともに、火の先の煙が四角の人天蓋の空気孔に吸い込まれていく。
クライマックスを迎えると、般若心境が唱えられる。自分も声を出してお唱えする。
胸の奥に痞えていたようなものが外に出ていくような感じでスッキリとする。
そしてやがて、静かになり、「南無大師遍照金剛」と3度お唱えし、護摩祈祷は終焉を迎える。
その後護摩壇の前に並べられていたお札が渡される。
お堂の裏手に回って寺務所でご朱印を受けに行く。本堂の裏には不動明王が安置されている。
中国語を喋りご朱印を受けに来たグループがいたので、「Where do you come from?」と訊くと「Taiwan」と応えてくれた。台湾では仏教が残っているのだろうか?