【2012年8月12日(日)】2012年夏福井・奈良・京都旅行#29
神宮寺と鵜の瀬で「お水送り」の神事を学び、良弁和尚の誕生の地の白石神社で神霊感を感じた後は、「萬徳寺」へ。
山門付近は工事中。
書院前の庭園は1677年に移築された際に築造された国指定の名勝の埋石式庭園で、1,500㎡もあるという。金剛界曼荼羅を表現した庭園ということで、それぞれの石が大日如来などを表しているらしい。
その庭園前に建つ江戸時代初期の書院には、着衣の彩色(截金が施されているかも)豊かな地蔵菩薩立像を中央に、弘法大師像など諸仏が安置されている。
また、大日如来、両界曼荼羅の掛け軸も掲げられている。
庭園の左わきから本堂への階段があるので、登って行く。
萬徳寺は、1370年頃に、もとこの地にあった「極楽寺」を改め、正照院萬徳寺として、高野山真言宗として広まった。
戦国時代には若狭の武田氏がこの寺を祈願所とし、その後江戸時代には小浜藩主となった酒井氏も代々の祈願所としたという。
本堂内は、須弥壇上に本尊阿弥陀如来坐像を安置し、左右に阿弥陀如来と大日如来を脇侍とする少し変わった布陣である。
また、手前には宝塔が安置され上部には四角の人天蓋があり、更に左右にも壇があり、向かって左には不動明王、右には弘法大師が祀られている、いかにも密教といった雰囲気が漂う。
本尊阿弥陀如来は、平安時代の作で、檜の一木造り。半丈六の坐像で、裳懸座に座し、目を閉じ温和な表情である。衣の襞は翻波式で、流麗さがある。
彩色のない素地仏である。
ご朱印は「無量寿」。