【2012年2月4日(土)】(東京古寺探訪#23)
再びの
「善光寺 東京別院」(1月25日拝観)
先日拝観した後、ご朱印をいただいた際に「毎月第1・第3土曜の15時から、戒壇巡りを行い、ご本尊の御開帳を行います」と言われたので、行かねばならない。
祐天寺から表参道までは渋谷乗り換えで20分も掛らない。交差点からは見えないが、表参道交差点の北側の青山よりのすぐ裏手にある。
信州の善光寺を訪問したことがないので、似ているのかどうかは分からない本堂だが、二層入母屋瓦葺で、安定感がある。
寺務所に5分前に着いて、戒壇巡りをお願いしたいと言うと、寺務所の方もあまり理解していない様子。他に参加者が待っているわけでもなく、1人の尼僧に伝えると、その方から「どうぞ、本堂にお上がり下さい。今、開けますから」との対応。
ほっとして、誰もいないのかとも思いながら、本堂に上がって、正面に座らせていただくと、尼僧は本尊前の灯明を点け、焼香台に香を入れてくださり、「どうぞ、お焼香ください」と言われる。
すると、奥の緞帳が上に緩やかに上がって、厨子内のご本尊が拝観可能となる。一光背三尊形式の仏像が現れる。中央の阿弥陀如来に脇侍が寄り添い、、その後ろに、大きめの光背が三尊を包み込むように立ち、そのフォルムが実に柔らかい。
その間、尼僧は右に控えて「南無阿弥陀仏」とお唱えしている。堂内に1人の独占状態が暫く続き、御礼を言うと、「では、こちらから戒壇巡りを」と言われ、右廊下の奥の階段に導かれる。
「戒壇巡りというのは、本尊の下を回ることです」と言われる。
薄暗い10数段の階段を手摺を伝って降りると、もうそこは漆黒の闇。尼僧が「壁の腰当たりを手で触って廻って下さい」と言う。
何しろ、真っ暗。右手で触る壁以外には頼るものはない。1人で廊下をゆっくりと歩いていく。
怖いと言う感じはしなく、無心にひたすら巡ることだけを考える。
その間、尼僧は「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、・・・」と念じているのが聞こえる。
廊下はどのくらいの幅があるのかと思い、左手を伸ばしてみると、1mぐらいだと分かった。何度も右に回っていくと、やがて少し暗闇が薄れ、尼僧の姿が見えてきた。
本堂に戻り、「すみませんが、もう一度拝観させてください」と厚かましく申し入れ、暫く本尊を拝観していた。
気持ちのお賽銭を包み、御礼を言って、辞す際に、「信州ではされましたか?」と訊かれたので、「戒壇巡りは、「奈良の信貴山 朝護孫子寺」で行ったとはあります」と言うと、「甲府にもありますので、機会があればどうぞ」と言われた。
こうして、20分程度の戒壇巡りは終了。
境内には、可愛らしい石仏もある。山門を出ずに右手の道を行くと、表参道に面した秋葉神社横に出た。