【2012年1月25日(水)】(東京古寺探訪#5)
以前勤務していた会社の出向先が、この赤坂一ツ木通り近辺だったので、このお寺の存在は知っていた。
が、「浄土寺」あるいは「六地蔵」という寺名や由緒などは全く知らずにおり、唯一、その山門を潜った境内の中の右側に、バーなるものを見つけて、たまに飲みに行っていた。
その当事(15年近く前)、そのバーは1階はフリー客でも入れたが、2階は会員制のようで本当の常連さんしか行くことが出来ない店であった。
1階はリーズナブルではあったが、立地条件の驚きと共に、たまにテーブルマジック(カードマジックを)バーテンダーさんが披露してくれるサプライズもあった。
(※現在は店はあるがシステムがそうなのかは定かでない)
門の左右に下がっている提灯には「六地蔵」と書かれ、すぐ左手にはお地蔵さんが2体並んでいる。どうも本堂の奥には六地蔵があるらしいが、今回は見損なってしまった。
広くはない境内だが、どこかへの通り道になっているようで、会社員のような人たちが参拝でなく行き来している。その正面が本堂で、屋根に宝珠をいただいている。
本堂の手前右側には、1719年に鋳造された銅造の地蔵菩薩坐像が鎮座している。ふっくらとしたお顔が印象的である。
堂内には入ることは出来ないが、扉が少し開いており、中を拝観することが出来た。左程広くはない本堂ではあるが、荘厳され、天蓋も瓔珞も常花もみな金箔が煌めいている。
少し遠目で分かりにくいが、本尊の阿弥陀如来坐像は本体も光背も隙のないほど金箔が施されているようで、優しく穏やかな表情で極楽浄土へ導いてくださるようだ。
昼の顔と夜の顔を持つ浄土時境内。不思議な世界である。