【2011年9月29日(木)】奈良・京都初秋の旅#9
東大寺大仏殿から法華堂に登って行く途中に鐘楼がある。そのすぐ北隣に俊乗堂がある。
ここは重源上人によって建立された浄土堂というお堂があったところで、焼失した後に公慶上人が重源上人の菩提を弔うために再建したという。
重源上人は、1180年に平重衡によって大仏殿が焼かれるなど、東大寺の多くの伽藍が焼失した翌年、造東大寺の大勧進職に任ぜられ、長年の歳月をかけて東大寺を再建された。
通常は年2回の開扉だが、現在法華堂が改修のため特別に公開されていた。
堂内には昨年の「東大寺展」で東博に来られていた重源上人の坐像が安置されている。国宝の坐像は像高82cmで13世紀の作。快慶作とも伝えられている。
86歳で逝去された直後に作られたということで、「晩年の生きざまをそのまま切り取った鋭ささえ感じられる」と解説にある通り、今もまさに生きれおられるようである。
八角厨子の中に安置され、前四面の扉が開かれていて、その前に「大勧進上人南無阿弥陀仏」と書かれていた。
立派な厨子は800回忌の平成18年に寄進されたということである。
「東大寺展」で展示されていた時は、博物館での展示であったが、ここに安置されていると重源上人の偉大な功績がより鮮明に印象として残った。
※重源上人坐像の画像はいただいたパンフレット表紙より。