【2010 年5月3日(月・祝)】平城遷都1300年祭の旅-春篇Vol.43
今回の「平城遷都1300年祭の旅-春篇」の最終日。7時起床で、8時のJRに乗る。
ところが慌てていたために、電車を乗り間違えてしまい、気付いたのが最初の駅、京終駅。奈良に戻るに戻れず、タクシーを探す。
するとすぐそばにタクシー会社があって、1台手配してもらった。
「法隆寺までお願いします」と言うと「電車間違いはった?」「ええ」「奈良戻ります?」「いえ、このまま法隆寺へ」「30分ぐらいかかりますよ」と朝早い道を一路斑鳩へを急ぐ。
今回の法隆寺訪問の目的は2つ。一つは、秘仏である夢殿の救世観音を拝観すること。もう一つは大宝蔵展を見ることである。
運のよいことに、タクシーは夢殿の前で止まる。
するとラッキーにもまだこの東院伽藍には参拝者が少ない。
おそるおそる南側に開いている扉から堂内を窺う。すると、そのお堂の中央に、金色に輝く救世観音が立っておられた。
おだやなかお顔つきで、全身に金箔がはっきりと残っている。両の手を捻るようにして宝珠を胸の前に掲げて持っており、それがパワーを発するような気さえしてくる。
フェノロサと岡倉天心が幾重にも巻かれた布を取りはらって、初めて見たときの感動はこの上なかったに違いない。こうして見ていてもその興奮が沸いてくるようである。
行列を覚悟していただけに、じっくりと拝観出来た喜びも手伝って、救世観音のお姿は忘れえぬものとなって目に焼きついた。