【2010 年5月1日(土)】平城遷都1300年祭の旅-春篇Vol.33
お寺のパンフレットによれば、聖徳太子が物部守屋を討伐する際に、この山に来て戦勝祈願をされたところ、毘沙門天が現れ必勝の秘法を授けられた。
その時が寅年、寅日、寅の刻であり、敵を滅ぼされた後、信ずべき山貴ぶべき山として「信貴山」として伽藍を創建し、毘沙門天を祀ったという。
階段を幾段も登って本堂に辿り着く。ちょうど本堂では秘仏御本尊特別開扉で内陣に入れていただけるところであった。灯りの向こうには唇をキリリと結び睥睨する毘沙門天が安置されていた。
その後戒壇めぐりというお堂下の真っ暗な通路を右手の壁を頼りにして進み、大日如来他の小さな仏様が祀られている仏壇を拝する、ちょっと遊園地のお化け屋敷よりも恐いお堂めぐりを行った。
また、霊宝館では「国宝 信貴山縁起絵巻(延喜加持の巻)」を拝観した。「飛倉巻、延喜加持巻、尼公巻」の三巻からなる修行僧命蓮の絵物語で、第二巻は醍醐天皇の病を剣の護法という毘沙門天の使者を遣わして平癒させたという内容で、現在も色彩鮮やかに展示されていた。
普段は奈良国立博物館に寄託されているようで、時期をずらして三巻が公開されている。
帰りも運悪く駅までのバスがちょうどない。タクシー待ちもないため、駐車場のおじさんにタクシーを呼ぶにはどうすればよいかを尋ねると、そのドアにタクシー会社の番号が書いてあった。「駐車場の白虎のところと言えば分かるよ」と教えていただき、まもなく来たタクシーで下山した。
奈良のタクシーは電話で呼んだ際に迎車となっても料金が発生しない点がすばらしいと思う。