【2010年3月20日(土)】
初夏のような暖かい日となった。亡くなった岳父の墓参で練馬に行った帰りに、菩提寺がある新宿牛込柳町へ都営大江戸線で向う。駅からお寺である多聞院に向って歩いていると、観光ガイド用の旗を持った人と共に20人程度の集団が多聞院の門から出てくる。何かと思って、ガイド役の人の腕章を見ると「史跡」という文字が見えた。どうやら史跡ツアーらしい。多聞院にはかの有名な「カチューシャの唄」も歌い、大正時代の一世を風靡した女優:松井須磨子の墓があるので、それを見に来たのだろうか?隣の寺には江戸時代の数学者:関孝和の墓もある。
お寺で線香を求めると、住職が対応してくれたので、「秋に長谷寺に行って観音様の足に触って来ましたよ」と言うと、「そう、行ったの。それは良かった。建物は国宝で、観音様は重要文化財なのに、それを触らせるっていうのは他にはないと思うよ」と笑顔で話してくれた。
多聞院は真言宗豊山派で、その総本山が奈良の長谷寺である。お堂には大日如来が祀られている。
墓参りを終えて、帰ろうとすると、また先ほどの一行とは別のツアーが松井須磨子の墓の前に集まり、ガイドの話を頷きながら聴いている。こういった史跡を巡る好事家向けのツアーがあるのだと初めて知った。それにしても皆さん大変熱心で頭が下がる。