【2009年12月31日(木)】ゆるり古都古刹巡りVol.32
浮御堂を後にして再びタクシーに乗り、琵琶湖を眺めながら整備された道を走ること十数分で西教寺に着く。
07年春に京都側から登って比叡山を横川・西塔・東塔を巡った後に、ロープーウェイで坂本の町まで降りてきた時はちょうど桜が満開の時であった。日吉東照宮・慈眼堂・滋賀院門跡・日吉大社・律院と回ったが、ここ西教寺にまで訪れる余裕がなかった。ちょうど日吉大社の祭礼で琵琶湖上を神輿が渡るのが湖西線の車窓から見えたのを思い出す。
山門を登り着いたところに建つ本堂は豪壮な入母屋の見事な瓦葺である。その堂宇に祀られているのは、本尊阿弥陀如来で、丈六の堂々とした大きな仏像である。荘厳された檀の奥に光背共に金箔が鮮やかに輝く弥陀は藤原時代の定朝様式を踏んだ華麗なほとけである。
その檀の手前に囲われた場所で一人の僧侶が間断なく鉦を打ちながら読経をしていた。ここは不断念仏の根本道場ということである。
拝観受付をお願いし客殿内を巡るところに、石造の二十五菩薩が勢揃いしていた。