【2009年12月30日(火)】ゆるり古都古刹巡りVol.26
喜光寺、菅原天満宮を参拝し、西大寺へ北の道をたどる。ガイドブックの地図を見ながら歩くが、途中で道が分からなくなり、大体の方向感覚で歩いて行くと、ようやく西大寺駅が見え始めた。
駅の手前を左に入ると西大寺となる。西大寺は称徳天皇が創建された天平期の大寺であるが、現在はいくつかの堂宇が残っているだけとなっている。
【四王堂】
参詣者の居ないお堂に入り共通拝観券を購入し、本尊の十一面観音を拝観していると、後から数組の参詣客が訪れて来た。すると随分人が集まったからであろうか、受付の僧が解説を始めてくれた。
本尊は右手に錫杖を持ち、左手に華瓶を掲げたいわゆる長谷寺式観音であり、花瓶の蓮の花が咲いているのは珍しいそうだ。
【本堂】
堂内にぐるりと法灯が立ち並ぶ幻想的なお堂である。その中央の厨子の中には、いわゆる清涼寺式釈迦如来と呼ばれる立像が祀られている。
三国伝来の清涼寺の釈迦如来像の模刻をいくつかのお寺で見たことがあるが、どれも清涼寺のお像とそっくりであるが、ここの本尊は特に似ているような気がした。
【愛染堂】
本尊の秘仏愛染明王はこの時期公開されていないが、08年秋に訪れた際に秘仏が開扉されていて、そのお姿を拝したが、今日見るお前立ちも何ら本尊と遜色なく出来ているように思われた。
堂内に貼られたJR東海のポスターを見ていると、受付係が声を掛けられ、「よいでしょう?」と言われたので、堂の外を指し、「コマーシャルになっていたその塔の所も幻想的でよかったですよ」と応えた。
かつてここに西の大寺があったのである。