【2009年7月26日(日)】
7月5日に燐光群の主宰者坂手洋二氏作の現代能楽集「鵺」を新国立劇場に観に行った。その時の感動が忘れられなく、貰ったチラシの中にあった現代能楽集「イプセン」のチケットを購入した。その理由の一つには出演者に馬渕英俚可が入っていたからでもある。2年前に銀河劇場で「錦秋」を観て、この女優さん凄いなぁと思っていたからである。主演は、馬渕英俚可と紺野美沙子である。
今、マイブームは戸田恵梨香と馬渕英俚可の「二人のエリカ」である。
【東京芸術劇場】
【小ホール】
小ホールに入ると坂手さんも受付にいるので、挨拶をする。見慣れた燐光群の劇団員が会場で案内をしている光景は、梅ヶ丘BOXと変わらない。
ホールは200名席、舞台は1mほど足場が高く組まれているので、前から3番目では見やすかった。
【イプセン】
坂手氏が構想する現代能楽集ということで、今回はイプセンの劇をモチーフとして4部構成となっている。
■1:「ノーラは行ってしまった」
■2:「ぶらんぶらん」
■3:「野鴨中毒」
■4:「ヘッダじゃない」
アップテンポで豊富な台詞。ト書きさえも台詞で語られる感じなので、じっと台詞を聞き入ってしまう。よそ見もできず、息もつかせぬ展開は、燐光群の劇の特徴が色濃く出ている。見知った劇団員が熱演し、その中で、1と3に出演した馬渕英俚可は、長い台詞を難なくこなし、目の表情でアクセントを付け、可憐に舞う。
一方、2と4に出演した紺野美沙子は、艶やかさと妖しさを美しく演じていた。
舞台装置も照明も過度でなく、能楽集に相応しい。3回の舞台暗転も燐光群お得意のパターン。14時開演での2時間半はあっという間に過ぎてしまった。
18時頃に帰宅すると、梅ヶ丘BOXから荷物を積み込むメンバーがいる。先ほどまで舞台に立っていたので、あれっと思い、「今、見てきた。よかったよ」と声を掛けると、「ありがとうございました!」と明るい笑顔が帰ってきた。
■現代能楽集「イプセン」
■作・演出:坂手洋一
■出演:馬渕英俚可、紺野美沙子、燐光群