【2009年4月8日(水)】
「興福寺創建1300年記念 国宝 阿修羅展」を観るために東京国立博物館に夕方に行く。 この企画展のために出来た「阿修羅ファンクラブ」の会員特典の閉館後の特別観賞会が7日から9日までの3日間行われた。
昼間は入場規制がされるほどの人気だというので、せっかくの特典を使おうと思い、18時半に到着するも、なんと行列ができていた。阿修羅ファンの多さに改めて驚いた。入場口でこれも会員特典の阿修羅バッジを受け取る。
館内に入ると音声ガイドを借りるための列は長いが、館内はそれほどの混雑ではなく観ることができた。
【第1章 興福寺創建と中金堂鎮壇具】
中金堂創建時に地鎮のために膨大な宝が埋められという。水晶、琥珀、瑪瑙、金、真珠など現在でも貴重な最高級の宝飾類や和同開珎が展示されている。これらを中金堂の基壇の地下に埋めてしまうということ自体の発想が今では想像だにつかない。藤原氏の権力、財力がいかに莫大であったかを物語っているようだ。
【第2章 国宝 阿修羅とその世界】
【十大弟子像 6躯】【八部衆像 8躯】
これらの脱活乾漆像をガラスケース越しではなく、しかも前面からだけでなく左右からも鑑賞できるというの、博物館の展示ならではである。彩色が残る部分が強調されるようにライティングが施されている。衣文の微妙なドレープも繊細な文様も卓越した芸術性を持っている。
また、残念だが損傷がある部分からは乾漆像の表面や中の構造が少しだが垣間見れたのは貴重であった。
どの像もゆっくりと時間を様々な角度から見ることができた。
【阿修羅】
いよいよ阿修羅だ。昨年も興福寺国宝館でガラス越しにこの阿修羅と二度ほど対面した。が、今回は360度ぐるりと鑑賞することができる。先ずは正面の高い壇から見下ろすような角度で対面したのち、手に取れるほどの近い位置から、少し見上げるように時計回りに第1列に陣取ってゆっくりと回っていく。
今まであまり意識していなかった左右6本の腕の付け根や、3面の顔のつながり方、衣文の細かい彩色、それに左右二面の表情をじっくりと見ることができた。天平から今まで変わらぬことなく虚空を見続けているその瞳に魅了される。一体何を見ているのだろう。永遠の彼方を見ているのだろうか?
【第3章 中金堂再建と仏像】
現在の仮金堂に安置されている薬王・薬上菩薩像、運慶の父康慶作の四天王像、それに運慶作の釈迦如来像の頭部と飛天などが展示されているコーナーは、阿修羅を見て疲れてしまったのだろう人たちが通り過ぎてしまう。が、見所はあちこちにあった。
釈迦如来の頭部は興福寺国宝館で展示されているが、その手の一部は見たことがなかった。指の間の水かきである縵網相が間近に見られた。
【第4章 バーチャルリアリティ(VR)シアター】
展示されている諸像をゆっくりと観て1時間半以上が経った。最後のシアターで足を休め、天平時代の空間を観ることが出来た。
最後に図録を購入して、阿修羅展の第1回目を後にした。次はいついくか?